Synbio, Bioengineering, Bioinfomatics関連の研究について書いたりするかもしれません。

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合成生物学論文メモ (Oct 2020)

読み流した論文のメモ。黒色はメモ、緑色は感想、赤色は特に面白いと思ったもの。
9報

Synthetic Biology

Transcription/Translation Control

遺伝子回路、転写翻訳制御など
RNA-seaとRibosome Profilingで論理回路の各パーツについて精密な定量化を行い、各パーツで生じるモデルとの相違を特徴として分別。(Bacteria: E.coli)
パーツの定量化についてはほぼ完成系では。
ペプチド付きのリポソームにプロテアーゼや阻害剤を封入し、添加し別のプロテアーゼやリパーゼによって封入したプロテアーゼを取り出して活性を制御する論理回路を実装。(Bacteria: E.coli)
リポソームを使った制御というのが面白い。E.coliで実装しているように内在性のプロテアーゼやリパーゼを使って制御が出来るので、特定の臓器へのドラッグデリバリーシステムなんかに応用出来そう。

RNA Synthetic Biology

アプタマー、リボザイムなど
  • A deep learning approach to programmable RNA switches
  • Authors: Nicolaas M. Angenent-Mari, Alexander S. Garruss, Luis R. Soenksen, George Church, James J. Collins
  • Journal: Nature Communications
  • Year: 2020
  • DOI: 10.1038/s41467-020-18677-1
  • Institution: Harvard University, USA; MIT, USA
Toehold Switchの配列-機能データから機能(ON/OFF)活性を予測するモデルとして、CNN、LSTMから成るニューラルネットを提案し、スイッチのデザインの流れを確立。
BERTで出来そう。

Optogenetics

光駆動型ツール、蛍光イメージング、光受容体など、その他〇〇genetics系
mTurquoise2の励起エネルギーをAsLOV2の励起に利用するRET(resonance energy transfer)ベースのオプトジェネティックツールを開発。(Mammalian cells: Hippocampal and cortical neuron, HEK293T)
蛍光タンパクの蛍光量で足りるんだという驚き。

CRISPR/Cas

クリスパー系
  • A compact Cascade–Cas3 system for targeted genome engineering
  • Authors: Bálint Csörgő, Lina M. León, Ilea J. Chau-Ly, Alejandro Vasquez-Rifo, Joel D. Berry, Caroline Mahendra, Emily D. Crawford, Jennifer D. Lewis, Joseph Bondy-Denomy
  • Journal: Nature Methods
  • Year: 2020
  • DOI: 10.1038/s41592-020-00980-w
  • Institution: UCSF, USA
Cas5,7,8複合体とCas3のヘリカーゼヌクレアーゼ活性を利用して、ゲノムの大規模な(7-424kbp)欠損を人為的かつ部位特異的に導入する技術を確立。

Metabolic/Signal Pathway Engineering

シグナル経路、代謝経路、酵素工学など
P.putidaにおいてリボスイッチベースのフッ化物バイオセンサー、フッ化物存在下で活性化する代謝経路をそれぞれ実装し、フッ素を含む糖である5'-fluoro-5'-adenosineの有機合成に成功。(cell-free, Bacteria: P.putida)
バイオセンサーから代謝合成経路の実装までまとめて一本で、すごいボリューム。
P.putidaゲノムにおいて生育に必要な最小遺伝子セットを同定し、非天然の合成経路を細胞生育と結びつける事に成功。 であるindigoidine合成。
最小遺伝子セットのアプローチを初めて知ったけれど、面白い事を考えるなあという感想。